ーアルツァフとウクライナ、奪われた日常とその先 ―

2026/8/1(Sat)-8/7(Fri)

ギャラリートークショー
8/1(Sat).8/2(Sun).8/6(Thu) 17:00~

この写真展は、悲しみをただ提示するためのものではない。
その奥に確かに存在する、“希望”を伝えるための展示である。

父の自死でわたしの家族はバラバラになった。
父の自死から逃げるようにして始まった旅。
その先で私が出会ったのは、戦争によって日常を奪われながらも、なお光を手放さずに生きる人々であった。

父の死に背を向けるように世界を歩き、辿り着いたのは戦争の縁――
アルツァフ、ウクライナ、そして難民として生きる人々のもとである。
出会ったのは、故郷を失っても、家族を虐殺されても、その声が日本に届かない人、涙すら流せなくなった人、
それでもなお、明日を求めて生きようとする人々である。

わたしは、そうした人々の「悲しみ」だけでなく、
その沈黙の奥にある“声なき声”に耳を澄ませ続けてきた。

なぜなら、そのさらに奥にこそ、人がそれでも生きようとする理由――
消えることのない“希望”があると感じたからである。

本展は、戦争を俯瞰的に語るものではない。

ひとりの人間として、揺らぎ、迷い、傷つきながら見つめた、個人の視点からの戦争の記録である。
他者の物語に触れることは、同時に、自分自身の喪失に触れることでもあった。

そして、記録するという行為そのものが、失われた自分を取り戻していく道となっていった。
ここにあるのは、破壊や絶望だけではない。
その先でなお続いていく日常、笑顔、そして生である。

涙の、その奥にあるものを――
見つめてほしい